東京オリンピック目前!不動産投資はどう変わる?

2020年に開催される、東京では2回目となるオリンピック。2019年現在、着々とインフラ整備などが進んでおり、東京の景色も変わりつつあります。そして同時に不動産投資も変わりつつあります。今回は東京オリンピックによって不動産投資がどう変わるかを解説します。

東京オリンピックによるインバウンドを期待して不動産価格は上昇している

2020年の東京オリンピック開催に向けて、不動産業界で期待されているのが、外国人観光客によるインバウンド需要です。

国土交通省が2018年9月に発表した、全国の地価調査では、1991年から27年ぶりに、全国的に上昇に転じたことがわかります。 これは、外国人観光客が増加してことに伴う店舗やホテル需要が高まった結果といえます。この需要拡大と比例するように、不動産投資価格も上昇しています。[注1]

オリンピック開催後に不動産価値が低下するという懸念

オリンピックの開催は、経済に刺激を与える一方、開催後の景気低迷を懸念する声も聞かれます。日本経済新聞ではIMFのデータを基に、オリンピック開催前年と開催年、翌年の成長率を比較。対象となったのは以下の開催国です。[注2]

  • 韓国(ソウル / 1988年)
  • スペイン(バルセロナ / 1992年)
  • アメリカ(アトランタ / 1996年)
  • 中国(北京 / 2008年)
  • ギリシャ(アテネ / 2004年)
  • 中国(北京 / 2008年)

これらの開催国のほとんどが、開催翌年の成長率が、開催年よりも下回っています。ですが、唯一、開催翌年が開催年を上回ったのがアトランタオリンピックです。

これらのデータからオリンピック翌年には経済の成長率が低下し、それに伴い不動産価値も低下すると言われています。

アトランタからロンドンオリンピックまでに住宅価格が下落したケースはない

みずほ総合研究所が2018年7月に発表した、「不動産市場は転換点にあるのか?」というレポートでは、1996年開催のアトランタオリンピックから2012年開催のロンドンオリンピックまでにおいて住宅価格が下落したケースはみられません。[注3]

また、同研究所が2017年に発表した「インバウンドの現状と展望」では、アトランタオリンピックからロンドンオリンピックまでの、開催国のインバウンド客の推移を分析しています。その結果、開催後でもインバウンド需要が増える傾向にあり、その増加傾向は、開催決定前よりも高まるとしています。[注4]

これらの点から東京オリンピック後の急激な不動産価値の下落は起こりづらいと推測できます。

インバウンドがもたらすインフラの開発・整備は五輪後も続く

東京オリンピックでのインバウンド効果を期待して、東京都内ではインフラの開発・整備が進んでいます。例えば、品川と田町の間には、1971年以来となる山手線の新駅、「高輪ゲートウェイ」が2020年に暫定開業予定です。また、東急電鉄が主導する、渋谷の再開発も2027年を目処に完了するなど、東京オリンピック後もインフラの開発・整備は続きます。このようにインフラが整っていくにつれ、不動産価値も維持・上昇すると見込めます。

気をつけるべきは2023年・2025年問題

東京オリンピックが直接不動産価値の下落に起因する可能性は低いですが、日本の人口構成によって不動産価値が下がる可能性はあります。

2023年には全国の空き家が21.4%まで増加

野村総合研究所の発表によれば、日本全国の空き家は2023年に1,404万戸まで増加すると推定されています。これは、6,646万戸という総住宅数の21.1%にものぼります。また、2033年には、総住宅数7.126万戸に対して、空き家は2,167万戸と、住宅の30.4%が空き家になることが予想されています。[注5]

空き家は、犯罪の発生原因となりやすく、住宅地に悪影響を及ぼします。そうなると、不動産価値も下落していってしまいます。

2025年には日本人の3割が高齢者の時代に突入

内閣府が発表した「平成29年版高齢化社会白書」によると、全人口における高齢者の割合は、2025年には30%となり、2040年にはその割合が、35.3%までにのぼります。[注6]

反対に生産年齢人口も減少傾向にあります。そのため、労働者一人一人かかる高齢者層の税負担や社会保障品のウェイトが重くなり、消費や投資が活発に行われなくなることが考えられます。

不動産投資は周辺のニーズや都市計画などを確認してから行う

東京オリンピックが直接不動産投資の冷え込みの原因となることは考えられませんが、2023年、2025年問題などの影響で不動産投資が冷え込むリスクがあります。

そのため、不動産投資をはじめるには、投資先物件が位置する行政の都市計画や、周辺ニーズなどを調査し、需要に見合った物件を選ぶことが大切です。

[注1] 報道発表資料:全国の全用途平均が27年ぶりの上昇に
~平成30年地価調査の結果を公表~ – 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo04_hh_000153.htmlbr
[注2] 五輪後に景気が悪くなる理由 夏季6大会で例外は1つだけ|ライフコラム|NIKKEI STYLE
https://style.nikkei.com/article/DGXDZO45592940R30C12A8W14001?page=3
[注3] みずほ総合研究所「不動産市場は転換点にあるのか?」
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/urgency/report180710.pdf
[注4] みずほ総合研究所「インバウンドの現状と展望」
https://www.mizuho-ri.co.jp/event/conference/pdf/miyajima_170720announce.pdf
[注5]2030念の既存住宅流通量は34万戸に増加
https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/news/newsrelease/cc/2016/160607_1.pdf
[注6] 平成29年版高齢化社会白書
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/zenbun/pdf/1s1s_01.pdf

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