アパート修繕費の内訳と相場目安は?大家負担になるもの、節約方法を解説

不動産投資の一つとしてアパート経営が挙げられます。

安定したインカムゲインを確保できるアパート経営は、不動産投資の中でもリスクの小さい投資といえるでしょう。

 

管理会社に賃貸管理を依頼することが一般的ですが、経年劣化は避けられないため、修繕費が必要となります。

そこで今回は、アパートの修繕費について着目し、内訳と費用相場などについて解説を行います。

 

アパートの修繕費には2種類ある

賃貸マンションなどの賃貸経営で最も大切なことは空室リスクを減らすことですが、空室リスクを減らすためには、物件自体の魅力を維持する必要があります。

アパートの魅力には、立地などの条件も挙げられますが、外観や内装、設備なども大きな魅力の一つです。

そのためには壊れた設備や経年劣化により傷んだ部分を修繕する必要がありますが、アパートの修繕費には、大きく分けて2種類存在します。

 

退去時の原状回復費用

現在の入居者が退去する際、次の入居者が入る前に部屋の修繕を行います。

この費用が原状回復費用となりますが、入居者が故意に傷つけたものを除き、経年劣化や日焼けなどの汚れにかかる修繕費はオーナーが負担します。

最近では原状回復と合わせてハウスクリーニングを行うことも多く、費用はオーナーが負担するケースが一般的です。

 

アパート全体の修繕費

アパートの修繕費用の二つめが、アパート全体の修繕費であり、大規模修繕を指します。

大規模修繕には、アパートの外壁や設備、雨漏りの防止工事などが挙げられ、おおむね10~15年ごとに行います

アパートの外観や耐久性を維持するだけでなく、資産価値を維持するためにも非常に重要なものであるため、大規模修繕のために積立てを行うオーナーも多くいます。

 

アパート経営で必要な10の修繕費 相場と修繕タイミング

上記ではアパートの修繕費用には2種類の費用があることを解説しました。

ここでは、その2種類の費用をさらに詳しく見ていきます。

具体的な設備を紹介し、費用相場とタイミングについて解説します。

 

①原状回復工事

入退去時には、上記でも解説した原状回復工事が必要になります。

以下の表は、原状回復工事を行う主なポイントをまとめたものです。

 

 

場所

費用相場

解説

壁紙(クロス)

0.8~1.2万円/㎡

日々の生活による汚れから原状回復させるために壁紙の張り替えが必要になります。

7,000/枚

和室がある場合には畳の交換が必要です。日焼けによる変色が主な原因となります。

フローリング

1~2万円/㎡

床はもっとも傷つきやすい場所であることから、入居者の痕跡を残さないためにも。床の張り替えが必要になります。

クッションフロア

1.5~2.5万円/㎡

床はもっとも傷つきやすい場所であることから、入居者の痕跡を残さないためにも。床の張り替えが必要になります。

ふすま

0.3万円/面

和室があり、ふすまに汚れがある場合には交換が必要です。タバコ等による汚れが目立つ場合があります。

ハウスクリーニング

3~5万円

部屋の全体的なクリーニングや除菌のためにハウスクリーニングを実施することが一般的です。

 

②給排水・給湯・空調設備

経年劣化に伴う給排水、給湯、空調設備の修繕が必要になります。

給排水は大きく、ポンプと管に分かれ、交換の目安は15~20年です。

 

ポンプの修繕費用相場は70万~150万円、管の修繕には300万円以上必要な場合もあります。

給湯や空調の交換目安は10~15年で、費用相場は5~10万円となっています。

 

しかし、部屋の数だけ修繕が必要となるため、給排水の修繕と同様に大きな金額が必要となります。

 

③ドア

大きな外傷がない限りは10年ごとの点検で問題ありません。

その際にクローサーを交換する場合には1.5万円程度必要となります。

 

④廊下・階段

廊下や階段はサビが発生してしまうため、5年ごとに塗装工事が必要となります。

修繕費用相場は5~30万円程度です。

 

加えて、構造によって廊下の場合は10~15年ごとに防水工事が必要な場合もあります。

 

⑤外壁

雨風や紫外線によって外壁は経年劣化が目立ってしまいます。

そのため、定期的な防水工事と塗装工事が必要となります。

10~15年を目安として塗装工事を行うことになり、費用相場は1~3万円/㎡です。

 

⑥ベランダ

雨漏りの原因になることが多いことから、ベランダの定期的な防水工事や塗装工事も必要です。

10~15年ごとに防水塗装を行い、費用相場は0.7~1万円/㎡となっています。

 

⑦鉄製部材の錆止め

雨風にさらされている鉄製部材がある場合には、サビの防止塗装が必要となります。

塗装の目安は5年程度で、費用相場は0.4万円/㎡です。

 

⑧屋根・屋上

屋根や屋上の修繕は雨漏りを防ぐためにも非常に重要です。

そのため、15年を目安に防水工事を行う必要があります。

費用相場は、0.7~1万円/㎡です。

 

また、劣化の状態によっては吹き替えを必要とする場合もあり、その際の費用相場は0.5~1万円/㎡です。

 

⑨シロアリ対策

シロアリは建物の木材を食べてしまい、使用できなくなってしまうため、事前に対策が必要となります。

シロアリ対策は専門業者に依頼することになり、5年ごとのメンテナンスを行う場合があります。

費用相場は0.1~0.2万円/平米となっています。

 

⑩専有部分でトラブルが起きた際の工事

専有部分で起きたトラブルにも対応しなくてはならない場合があります。

多いトラブルとしてはトイレやキッチン、浴槽などの水回りが挙げられます。

導入している設備によって費用相場は大きく異なりますが、定期的なメンテナンスが必要といえるでしょう。

 

アパートの修繕費は誰が負担する?

上記のとおり、アパートの修繕にはさまざまな費用が必要となり、非常に大きな金額が必要となる場合もあります。

そのため、アパートの修繕費用を誰が負担するのかといった問題が発生しますが、それは場合によってさまざまです。

アパートのオーナーである大家さんが払う場合もあれば、賃貸契約を結んでいる入居者が負担しなくてはならない場合もあります。

 

では、入居者が負担する場合とオーナーが負担する場合に分けて解説していきます。

 

入居者に瑕疵がある場合は入居者負担

修繕費用を入居者が負担しなくてはならない場合には以下のようなものが挙げられます。

 

  • 故意による設備破損
  • 壁紙などの汚れ(自然的なものを除く)

 

このように入居者側に過失があるものについては、修繕費用は入居者負担となりますが、そのために敷金や礼金などといった資金を準備している場合もあります。

 

入居者に瑕疵がない場合は原則オーナー負担

反対に入居者側に過失がないものについてはオーナー負担となります。

代表的なものは以下のとおりです。

 

  • 設備の経年劣化
  • 日焼けなどによる壁紙の変色
  • 自然災害による設備の破損

 

同じ設備の破損であっても、責任の所在が修繕費用の負担者を左右するのです。

 

修繕費負担の所在は契約書の内容がすべて

修繕費の負担についてはオーナー側と入居者側の間でトラブルになることが多くありますが、負担の所在は契約書の内容がすべてとなります。

契約書に記載されている内容に沿って負担者を決めることになるため、逆に記載されていないものについては支払う必要はありません

しかし、仮に大きなトラブルとなった場合には、適正なガイドラインという記事が国土交通省により設定されているため、それに沿った対応が必要となります。

 

アパート修繕費を節約する方法

アパートの修繕費は投資の面から見ても利回りの低下に直結するため、少しでも節約したい項目でもあります。

そのため、ここではアパートの修繕費を節約するための方法をいくつか紹介していきます。

 

定期的に劣化調査を依頼する

修繕に大きな工事が必要になる前に、定期的に劣化調査を行い小まめな修繕を行うことが大切です。

そうすることで、長い目で見たときに結果的に修繕費を節約できていることになります。

 

修繕費を経費に計上する

修繕にかかった費用を経費として計上することにより、利益の圧縮ができ課税対象が小さくなります。

その結果納税額も少なくなるため、費用の節約に繋がります。

 

しかし、減価償却扱いとなり一括償却できない場合もあるため注意が必要です。

代表的な減価償却の基準は以下のおとりです。

 

  • 20万円を越え、修繕費が3年以上
  • 明らかな資本的支出

 

火災保険を活用する

自然災害では大きな修繕費用が必要となる場合が考えられます。

そのため、火災保険を活用することをおすすめします。

火災保険は火事だけでなく台風や雪などの災害にも対応しているため、支払い対象となるかどうかを確認することが大切です。

 

まとめ

不動産投資であるアパート経営やマンション経営などの賃貸経営にはさまざまな費用が必要となります。

どのような費用が必要になるのかを再度確認して賃貸経営に臨みましょう。

建物は経年劣化を防ぐことはできませんが、大家さんの考え方次第で、適切な修繕でトラブルを回避し、長持ちさせます。

いろいろとやりくりしながら、入居者の方が快適に暮らせる賃貸管理は、成功への鍵です。

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