不動産投資の利回り相場と計算方法【シミュレーションあり】

不動産投資を始めようと思っている人の中には、「利回り」についてよく分からない人もいるかもしれません。不動産投資をする上で、利回りは知っておくべき基本的知識です。

利回りとは、物件を購入する額に対してどれくらいの収益が得られるかを表します。物件を選ぶ際や運営する上での指標になります。

収益を上げるためには利回りが高い物件を選べばいいのではと思うかもしれません。しかし必ずしもそうとは限りません。この記事では、利回りの計算方法やポイントについてご紹介します。

不動産投資の利回り相場はいくら?地域による相場の違い

不動産投資における利回りにも相場があり、これは地域によっても異なります。都内の方が、地方よりも利回りが低くなる傾向にあります。地方の方が、物件価格が安いため、利回りが高くなりやすいのです。しかしその分、都心の方が空室率は低く、地方は空室率が高いという特徴もあります。

都市部と地方、それぞれの特徴があり、メリットとデメリットも存在します。ここからはこれをさらに詳しく見ていきましょう。

都会のワンルームマンションの利回り相場

東京都内にある物件の利回りの平均は4.54.8%です。他の地方都市と比べるとこの数字は低いと言えますが、その代わりに空室率が低く安定した家賃収入を得ることができます。東京は購入価格も高く、利回りも低くなりますが、家賃も高く空室率が低いという特徴があります。

空室率が低い傾向にあることは、初心者でも安心して不動産投資に挑戦しやすいという意味で魅力的なポイントです。物件を購入する時は、購入時の空室率がどのくらいかを確認して、利回りまで計算しておくようにしましょう。

地方の不動産利回り相場

では地方の不動産利回り相場についてはどうでしょうか。東京以外の主要都市では、札幌が6.0%、仙台では5.9%、横浜が5.2%、名古屋と大阪が5.4%、福岡が5.5%、千葉では5.5%、広島では6.1%となっています。

東京と比べると利回りが高いのは、購入価格が安いことが影響しています。物件の購入価格が安くて家賃が高ければ、利回りも高くなります。

「地方の利回りが高いのであれば、地方の物件を購入した方がいいのでは」と思うかもしれません。しかし地方では、都市部と比べて賃貸の需要が少なく、空室が出てしまう可能性が高いという特徴があります。もちろん空室が出てしまうと、満室を前提とした表面利回りの数値は参考になりません。これは地方における不動産投資のデメリットといえるでしょう。

利益が出やすい平均利回りはどのくらい?

利回りの相場は、立地だけでなく物件の条件によっても異なります。表面利回りは、東京のマンションであれば新築で45%、築20年以内で5.5%、築35年以内で78%が目安です。

物件の利回りを見るときは、銀行からの借り入れ金利も考慮するべきポイントになります。借り入れ金利を考慮して利回りを計算することで、実際の利回りに近い値を計算することができるようになります。まずは銀行の利回りを調査し、その上で利回りの計算をおこなってみることをおすすめします。

利回りには、表面利回りと実質利回りがあります。実質利回りを基準にする方が失敗しにくい選び方をできますが、はじめのうちは表面利回りを基準にするやり方で良いでしょう。

不動産投資における実質利回り計算とシミュレーション

不動産業者で提示される利回りが表面利回りと言われることに対して、購入後に不動産を運用した際、経費を勘案して算出される利回りのことを実質利回りと言います。もちろん実際に不動産投資を行う上では、実質利回りが重要です。

ただ実質利回りを考慮せずに不動産を購入してしまう人がいるのも事実です。しかしそれでは購入前の収入イメージと購入後の収入イメージにギャップが生まれる可能性が生じます。まずは実質利回りを把握して置くことが大切です。ここでは実質利回りの計算方法をご紹介します。

不動産投資における利回り計算方法

不動産投資での利回りの計算式をご紹介します。以下の式を覚えておくことで、気になる物件を購入すると、どのくらいの利回りで不動産を所有することができるのか、自分で計算できるようになります。

表面利回り 満室想定の年間家賃収入÷物件の購入価格×100=〇〇%

実質利回り (年間家賃収入-運営経費)÷(物件の購入価格+購入経費)×100=〇〇%

表面利回りでは、家賃収入と物件の価格だけを使って計算します。実質利回りは、他に購入の際にかかる経費と運営にあたってかかる経費を加えて計算をします。経費の項目としては、税金や保険料、管理費、修繕積立金などが挙げられます。

同じ物件でも、表面利回りより実質利回りの数値の方が低くなります。経費も把握した上で実質利回りをチェックすることを忘れないようにしましょう。

東京 家賃6万円のワンルーム駅近物件での表面利回りシミュレーション

東京都内で、5,000万円で購入したワンルーム・駅近物件を家賃6万円で賃貸に出すと想定して計算すると、表面利回りは1.44%です。式は以下の通りです。

60,000円+12ヶ月÷5,000万円×100=1.44%

同様に計算すると、3,000万円で購入した物件であれば表面利回りは2.4%2,000万円で購入した物件であれば3.6%です。6万円の賃貸料で理想の利回りに達するためには、物件を2,000万円前後で購入しなければなりません。

いくらで物件を購入すれば、どの程度の利回りを確保できるかという視点で計算してみましょう。この計算に慣れれば、魅力的な物件かどうかを自分で判断できるようになります。

東京 家賃6万円のワンルーム駅近物件での実質利回りシミュレーション

実質利回りは、表面利回りで出した数値から必要項目をマイナスすることで計算できます。東京都内で5,000万円のワンルーム駅近物件を購入し、6万円で賃貸に出すとします。運営経費が月に1万円、購入経費が500万円かかると想定すると、実質利回りは1.09%です。

実質利回り (年間家賃収入-運営経費)÷(物件の購入価格+購入経費)×100=〇〇%

こちらの式に数字を当てはめていきましょう。

実質利回り (60,000×12ヶ月-10,000×12ヶ月)÷(5,000万円+500万円)×1001.09

経費がどれくらいかかるかによっても異なりますが、表面利回りよりも数値が小さくなることに注意が必要です。

不動産投資で利回り計算をするときに注意するポイント

不動産投資は、購入した物件を賃貸に出して家賃収入を得るという仕組みです。家賃収入がそのまま全額収益になるのではなく、家賃収入から経費を差し引いた金額が収益になるという点を忘れてはいけません。

そして、収益を予測する上で重要になるのが利回りです。利回りの計算を知らないと、購入後に予想していた収入を得られない可能性があります。注意して確認しておきましょう。ここでは不動産投資で利回りを計算するときに注意するポイントをご紹介します。

表面利回りよりも実質利回りを重視する

表面利回りとは、家賃収入を物件の購入価格で割った数字にすぎません。実際には家賃収入から管理費や修繕費、固定資産税といった経費を差し引いた数字が収益となります。物件の価格に実際にかかる経費を足し、収益を割った数字が実質利回りです。

また表面利回りの計算で使う家賃収入は、満室の状況を想定していることを忘れてはいけません。空室が出てしまった時点で、実際の利回りは想定していた表面利回りの数字から下がっていくことになります。

物件購入後、すぐに入ってくる収入が実質利回りで計算したものです。不動産投資をする上では、この実質利回りを重視することがポイントです。不動産業者が提示した利回りが、表面利回りと実質利回りのどちらであるかについては、しっかりと確認して置く必要があります。

話を聞くだけでなく自分でも調べる

不動産投資では不動産業者から物件を紹介してもらい、利回りなどを考慮して購入する物件を選びます。しかし業者の中には、物件を売るために家賃の想定額を高区提示する担当者もいるかもしれません。

そのような場合にも対応できるように、業者の話を聞くだけではなく、自分でも調べて置く必要があります。自分で調査することによって、物件を見極める能力も上がります。投資感覚を磨くためにも、自ら調べてみることは大切です。気になる物件の利回りや、相場から考えて高いのか安いのかといったポイントをもとに、調査してみましょう。

不動産購入はたいへん大きな買い物です。相手の意見は参考にすることは大切ですが、自分でも調べることもたいへん重要です。投資家としての勉強にもなるため、苦手意識があるという方も、ぜひチャレンジしてみることをお勧めします。

高利回り物件から低利回り物件に変化するケース

不動産投資では利回りを基準に物件選びをしていくケースが多くありますが、はじめのうちは高利回りでも、後々低利回りになってしまう物件もあるため注意が必要です。

物件の将来性を購入時に正しく把握することは難しいですが、できるかぎりの想定をしておく必要があります。ここでは低利回り物件に変化するケースとは、どのような場合なのかをご紹介します。

高利回りだが空き室・転居が頻発するケース

物件を購入する際の価格が高ければ、家賃も高くしなければいけません。もちろん高い家賃を設定すれば、利回りを維持することができますが、家賃が高ければ、入居者がなかなか見つからず、見つかってもすぐ退去してしまうという恐れも生じます。

条件が良くても家賃が高ければ、住み続けることが難しくなります。もちろん入居者が退去すれば、次の入居者が決まるまでは家賃が入りません。利回りを気にして家賃設定をしても、結局は収益を減らすことになってしまう可能性もあるのです。この意味でも入居者に長く住んでもらえるような家賃設定をすることが大切です。

予期せぬことで家賃を下げざるを得ないケース

大学や短大といった教育機関が近くにあると、数年スパンでの退去はありますが、次の入居者も決まりやすい傾向にあります。このため大学や短大の近くを狙って物件を購入する人も多くいます。

しかし都心回帰などで大学が移転してしまうことも、稀に起こります。大学や移転すると、街から学生がいなくなってしまいます。こういったケースでは賃貸物件の需要が一斉になくなるため、家賃を下げざるを得なくなります。このようなケースでも利回りが下がってしまうため、注意しておく必要があります。

現在の家賃を値下げする必要があるケース

築年数が浅い物件では、少々高い家賃でも入居者は見つかりやすいかもしれません。しかし周りに新築の物件が建ったり、周りの物件の家賃が安くなったりするなど、周辺の環境が変化することによって、物件の家賃を値下げしなくてはいけなくなることも考えられます。

もちろん家賃を値下げすれば利回りは下がります。こういったケースに備えるためにも、物件購入前には周辺地域の賃貸情報をしっかりとリサーチしておくことが大切です。

表面利回り・実質利回り以外に知っておきたい利回り

これまでは利回りには表面利回りと実質利回りの二種類があること、またそれぞれの利回りの計算方法について紹介してきました。この2種類の利回りを把握することは、物件を見極めるためにも特に重要です。

ただ、その他にも不動産投資を行う上で指標となる重要な利回りがあります。以下で解説する利回りについての知識を持っていれば、具体的な収益の出し方や、事業としての不動産投資について、より深く知ることができるようになります。本格的に不動産投資をしたい方はぜひ確認しておくようにしましょう。

自己資金投資利回り

不動産投資では、融資を受けずに物件を購入する方もいますが、ほとんどの方はローンを組むなど、融資を受けて物件を購入することになります。ローンを組む際には頭金を入れる場合と、自己資金を使わずに全額ローンを組む場合に分かれます。自己資金投資利回りとは、自己資金を出した額に対して、どれだけ利益が得られたのかを表す数字です。

自己資金投資利回りは、年間の利益を自己資金投資額で割って100を掛けて計算します。例えば頭金を100万円入れて、年間5万円の利益を得た場合、自己資金投資利回りは5%になります。

この自己資金投資利回りが高いと、自己破産のリスクが低くなり、投資の規模を拡大するスピードも速くなります。

借入金返済後利回り

不動産投資をする上で、ローンの返済が支出の大部分を占めます。借入金返済後利回りは、得られた家賃収入からローン返済、管理費、修繕費、固定資産税などの経費を差し引いた収益をもとに計算します。

家賃収入からローンの返済額と経費を差し引き、月にいくら手元に残るかを計算します。そこから年間収益を出し、物件の購入額で割ります。この数字に100を掛けて借入金返済後利回りを計算します。

表面利回りには経費が加味されていないため、実際の収益とはギャップがあることについては紹介しました。実質利回りは経費を合わせて計算するため、実際の収益率に近くなりますが、ローンの返済額は経費としては含まれていません。

借入金返済後利回りでは実質利回りにローンの返済額を加味することで、より現実的な収益率を把握することができるようになります。

NOI利回り

NOI」とは「営業純利益」のことです。表面利回りが満室を想定して計算するのに対し、NOI利回りは管理費や修繕費、光熱費などの経費を加味します。減価償却費やローンの金利は含まれません。表面利回りを見ると収益が見込めそうな物件でも、NOI利回りで計算すると収益が見込めないというケースもあります。

NOI利回りには、物件があるエリアの発展性は反映されません。NOI利回りを計算して実際の収益率を見ることは大切ですが、NOI利回りだけに頼ることなく、広い視野を持って判断することが大切です。

NCF利回り

NCF利回りとは、NOIに敷金などの一時金を加えて、修繕費のような資本的支出を除いたものです。「NCF」とは「純利益」のことを意味しており、不動産を鑑定する際にはこのNCF利回りを査定することが多くなっています。

不動産投資を行う上で、この利回りを重視することはとても大切です。自分が投資した額に対して、投資した不動産から、実際にどのくらいの利回りで利益を上げることができるのかを把握する必要があるからです。

分からないことはプロである不動産会社に聞いてみよう

不動産投資を始めると、物件を購入するために高額な費用がかかります。いきなり物件を購入するのではなく、知識をつけた上で始めることが大切です。

知識がないままに高額な物件を購入したが、利益が上がらずローンの返済だけが残ってしまった……といったトラブルは避けたいものです。

独学での勉強に不安がある場合は、プロである不動産会社に相談することをおすすめします。不動産会社から紹介を受けて物件を購入することが多い不動産投資では、業者との連携は欠かせません。業者との信頼関係を築くことは不動産投資の成功に直結します。

まとめ

不動産投資に興味があれば、表面利回りや実質利回りといった言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。

「表面利回り」は賃貸に出した物件が満室になることを想定して、家賃収入を物件の購入価格で割るという計算式を用います。「実質利回り」は、管理費や修繕費、固定資産税といった経費を差し引いて計算した利回りです。

物件を購入する際は利回りが高いものを選びたくなりますが、表面利回りだけにとらわれず、実質利回りを確認するようにしましょう。

不慣れな場合は不動産会社に相談することも大切です。ただし不動産投資会社も数多くあるので、信頼できる会社をいかに早く見つけるかが重要になります。

まだどの不動産投資会社にするか決まっていない場合は、ぜひ複数の不動産投資会社に一度で連絡が取れる、「一括個別面談申込み」をお試しください。

 

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